成人発達理論について(上條晴夫)

いまわたしがハマっているのは「成人発達理論」です。成長・発達は子どもにだけ起こる現象ではなくて、大人になってからも起こり続けると考えます。過去30年ぐらいの間にさまざまな研究蓄積の中から生まれてきた考え方です。

一般に成人になったら成長は止まると思われがちですが、「成人発達理論」では死ぬまで成長は続くと考えます。しかも知識やスキルによる成長ではなく、知識やスキルを駆動させる根幹となる知性や意識が成長をすると考えます。

わたしが実践している「協働的なリフレクション」は正にこの成人発達をサポートします。そして「成人発達理論」にハマって考えると、リフレクション以外のアプローチの輪郭も見えてきます。その大事な一つが「インプロ」です。

キャシー・サリット著『パフォーマンス・ブレークスルー』(徳間書房)は成人の発達を促すアプローチ(企業研修)としてインプロを紹介しています。そして「即興は大人向けの成長をうながす遊びの一形態なのだ」と言います。

なぜインプロのような遊びが成人発達を促すか。なぜなら人間は外部刺激への反応として個人の内側から成長をするのではなく、他人との集団行動に参加することによって成長が促されるからである(ヴィゴツキー)と言います。

この発達についてのメカニズム説明は言われてみるとまったくその通りです。「協働的なリフレクション」でも協働の部分が大事です。自分の中に賢く閉じるのではなくて、場に愚直に参加するようになると変化が起き始めます。